ボランティアとして活躍する舞台は日本国内だけでなく、海外にも広がっています。そのなかで代表的なのが国際ボランティアです。
ボランティアとして世界各国の人との交流したい、役に立ちたい、と考えている人も多いでしょう。とはいえ、日本ではなく海外が活動拠点となるため、語学力を始め一般的なボランティアに比べて、ハードルの高さを感じてしまうこともあります。
そこで今回は、国際ボランティアの活動内容に加えて必要なもの、募集を見つける方法、さらに海外出発前にやっておくべき準備まで紹介します。
自分自身の知見を広げるために国際ボランティアに挑戦してみたい人も、ぜひ参考にしてください。

国際ボランティアとは、世界各国で起きている国際的な問題に対して、支援や協力を行うボランティア活動です。国際的な問題とは、難民や人権、紛争、貧困や衛生環境、水不足や環境悪化などを指します。

世界各国からたくさんの人が国際ボランティアとして参加しています。個人として参加するほか、NGOやNPO団体がグループ単位で参加する、または国際協力機構（JICA）による青年海外協力隊や日系社会青年ボランティアも国際ボランティアの一種です。

国際ボランティアとしての活動内容は、現地の各分野で活躍するボランティア団体の視察や交流、現地の学校や保育園、幼稚園での教育や保育ボランティア、イベントや建設、植林活動など現地の人と一緒に行うボランティア、少数民や、障害者、傷病者を対象に提供するボランティアなど、多岐にわたります。

国際ボランティアとして活動したい、世界の人々のために何かをしたい…と考えていても「英語が話せないから国際ボランティアは無理ではないか」とあきらめてしまう人もいるでしょう。国際ボランティアを行うには「TOEIC〇〇〇点以上」など、語学力の指標となる資格が必要なのでしょうか。答えは「No」です。国際ボランティアで大切なのは、資格ではなくコミュニケーション能力なのです。

国際ボランティアの目的のひとつが、人々との交流です。さらに、自分が国際ボランティアとして赴く国によっては、母語や公用語が英語ではない場合もあります。言葉が通じなくても、ジェスチャーや表情などで現地の人々やほかのボランティアスタッフと交流できるコミュニケーション能力があれば問題ありません。逆に言えば、流ちょうに英語が話せても、人との交流を避けがちな人は、国際ボランティアとして満足な活動はできないでしょう。

英語に自信がない、という人でも多くの人と関わりたい、国際的な問題に何かの役に立ちたいという気持ちがあれば、ぜひ国際ボランティアに挑戦してみてください。

国際ボランティアとして活動するには、コミュニケーション能力が大切であることが分かりました。次に、国際ボランティアに実際に参加するさい、どのように募集を見つけるかについて解説します。
国際ボランティアの募集を探すには、主に以下の方法があります。

■ボランティア団体のサイトから見つける
■旅行会社のプログラムから見つける
■在学中の高校、大学のプログラムから見つける

インターネット上で「国際ボランティア」で検索すると、すでに国際ボランティアとして活動しているNPO法人などの団体のサイトが見つかります。世界各国で活動を行っている団体のサイトのなかで、現在募集している国際ボランティアを見つけ、参加申し込みを行う方法です。

NPO法人の場合は、国際ボランティア活動を事業としている場合が多く、国際協力活動を行っている現地に赴きボランティア活動を行う、体験プログラムを用意しているところが多くなっています。

ボランティア団体のプログラムは、後述の旅行会社のプログラムよりも費用も安く国際ボランティアに参加できる場合がほとんどです。
その代わり、宿泊場所が簡易的だったり、活動場所から近かったりすることも多くなっています。費用を安くおさえたい人や、環境に柔軟に対応できる人、すでに国際ボランティアとして何かの活動をした経験がある人に向いているといえるでしょう。

国際ボランティアのなかでも、実際の問題に対して労働や奉仕活動を行うボランティアプログラムのほか、学びや交流を目的としたスタディツアーもあります。
スタディツアーは、宿泊は市内のホテルで行い、日中現地ガイドとともにバスで施設などを訪問し、交流や視察、ワークショップなどを行います。

NPO法人やNGO法人のボランティアプログラムよりも費用は高い傾向にあり、ボランティア活動を自ら行うというよりは体験や勉強などの側面が強いのが特徴です。
旅行会社のプログラムとして提供されていることが多く、安全や衛生管理面でも安心材料が多いため、初めて国際ボランティアに参加する人や、活動前に体験や勉強目的で参加したい人に向いています。

高校生や大学生で、国際ボランティアとして活動してみたいと思う人も多いでしょう。高校生や大学生の場合は、すでに在学している高校や大学で、国際ボランティアの参加プログラムを提供している場合があります。

高校や大学で提供している国際ボランティアのプログラムは、夏休みなどの長期休暇中を利用して参加できるものから、留学やホームステイなどの延長で数週間のプログラムが付帯しているものまであります。

高校や大学で提供している国際ボランティアプログラムは、参加すると単位として認定されたり、奨学金が支給されたりするものもあります。高校や大学の在学生でないと参加できないものも多いため、高校生や大学生で国際ボランティアへの参加を検討している人は、学校にプログラムがないかどうかを探してみましょう。

海外で活動する前には、国内ボランティアとは違ったさまざまな準備が必要です。
以下の準備をしておきましょう。

■パスポート・ビザの発行
■予防接種
■海外旅行保険への加入